社長とは呼ばないで(裏M.A.P.)

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《1986年5月17日のノート》

 
5月17日
日付だけ書いて、煙草に火を付けた。
報告。煙草が220円になりました。
こうやって書いているうちに何か出てきやしないかと期待しているのだが……。

〈書く僕〉は「誠実を見失わないためには書き続けなければならない」と書く。〈書かない僕〉は「書かれた誠実は偽善だ」と言う。
本当の事を言うと、この十日間の〈書かない僕〉は、〈書く僕〉から五月六日に提出された問いの事をすっかり忘れていた。
山積みの「課題図書」に頭を抱えている。本当の事を言うと、この十日間、僕はちっとも頭など抱えていなかった。極楽蜻蛉。
今日あったことを書こうと思った。が、止めた。尻切れ蜻蛉。

漂う空気は、脳味噌のあんかけ。
明日は久しぶりの休み。
(1986/5/17)

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《1986年5月6日のノート》

 
どう書き始めればよいのか、なんともつまらぬ事に頭を悩ましている。ここ三ヵ月余りの間、忙しかったという以外に別段理由も無くただ書かなかったというだけなのに、そのことが変に重い。久しぶりにノートを開いた途端、書かなかった三ヵ月の時間があたかも存在しなかったかのような思いに捉われている。この失われた時間を取り戻さない限り、決して先に進めないという妙な感じ。
さて、どう書けばいいのか……、このもどかしさの感覚、しばらく忘れていた。
書くという作業は、現実とは別の次元を形成し、この別の次元の欠落の苦しさは、書こうとする意志の中でしか気付く事はなく…… 嘘だ、僕は嘘を書いている。三ヵ月も書かないでいると嘘しか書けなくなる。
〈何故、書かなかったのか 読書する暇が無かったからだ〉
〈何故、また書く気になったのか FMラジオから流れるジャズの音、放射能交じりの雨に濡れた車のフロントガラスが街を歪ませていたからだ〉
ちっとも悲しくない。だが書けば悲しくなる。書くという行為は現実とは別の次元に常に存在する〈悲しさ〉をいつも呼び覚ます。そして、それは、ひとつのカタルシスだ。

ここまで書いて、〈これで失われた三ヵ月の帳尻があった〉と満足してペンを置いて目を上げると、机の上には読もうとして読まずにいる本が積み重なっていた。なんとなく僕は、またペンを持って考え始める。
そうだ、僕には僕自身に報告しなければならない別の事柄がある。それは、三ヵ月前までの〈書いていた僕〉に対して、それ以後の〈書かなくなった僕〉は、はたして誠実であったのかどうか、という事に就いてである。その報告の後、僕はさらに次の問いに答えなければならない。

「僕は、誠実であるために書き続けなければならないのか」

あるいは

「書かれた誠実は、偽善に過ぎないのではないか」
(1986/5/6)

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Author:urashachoo
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