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社長とは呼ばないで(裏M.A.P.)

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(再掲)《1996年2月10日のノート》

 
「金もなければ死にたくもなし」とゲーテは言った。

子供も3歳になると、いろいろとタダではなくなる。だから、ナチルには今しばらく2歳でいてもらわなければならない。そうしなければ、娘を連れて出かけることができない。そんな家庭の経済状況を、2歳の子どもに話したってどうなるものでもない。
忸怩たる思い。
しかし、それは娘とは無関係なこと。娘に責任はないのだから、地獄行きは俺だけだなどとと、大そうで勝手な逃げ道を拵えて自らに言い聞かせた。
父親は、かつて清貧をヨシとしていたのだが、今やすっかり誇りを失ってしまった情けない男である。

それほど、我が家の経済は逼迫している。

ところが、あっちこっちで「こちらのお子さんはおいくつですか」などとでっかい声で聞くキップ売りたちのおかげで、なちるは自分の歳が分からなくなってしまったらしい。娘は、3歳になれたことをとても喜んでいたのに。

僕は、子どもを、金のかかる所へは連れていかないと決めた。これで娘も堂々と三歳である。
娘は、一切不満を漏らさない。どうやら、なにもかも分かっているらしい。
(1996/2/10)

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