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社長とは呼ばないで(裏M.A.P.)

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保障ではなく希望について語りたい

 
誰もが死に行く人であることに間違いはない。明日死ぬかもしれないのだから、たった今を大切に生きよう。そんな白々しい説教を有り難がる男が、明日の予定だけを楽しみに、なんとか今日の仕事に耐えていたりする。
つまり、実は、明日に希望が無ければ、大概の人間は今日を生きる力を失うのである。

明日死ぬことを知らずに生きている者の「今日」より、医師から死を宣告された男の「今日」の方が充実しているなんて、いったいどこの誰が言った戯言なのか。人は、きっと未来に繋がる今日しか生きることができないのだ。だからこそ、奇跡を信じようとしてみたのだが、結局、奇跡など起ころうはずもなかった。

「なんだかなあ」
「笑うしかない」

いまだに未来があると信じることのできる者どもの、全てが過去となってしまった男についての会話はなんとも虚しい。
ただ、自分達がどれほど幸せであるかということを確認するために、僕は時々今日のこの日のことを思い出してみようと思っている。そして、消えようとする笑顔を取り戻すのである。

そういえば、明日を保障するために医者に行かなければならないのだが、今日の時間が全くもって足りない。しかし、今日の僕は、保障ではなく、希望について語りたいのである。

たくさんの心残りを抱えたまま去って行った彼は、そんな僕の身勝手を、はたしてどう思うのだろうか。
御冥福を、心よりお祈りする。

もう、これっきりにしよう……
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