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社長とは呼ばないで(裏M.A.P.)

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物語の始まりのエピソード

 
昨日書いた過去が、物語の始まりのエピソードなのではない。
昨日書いた過去について、ことさら何かを注釈するつもりはない。ただ、あの頃の自分自身の在りようを思い出している。
元々、公開するつもりのなかったその日のノートを昨日公開したのは、その日あったもうひとつの、何故か書き残すことをしなかった出来事の記憶を、鮮明にしたかったがためなのである。

4日前の日記で、思い切ってその方のお名前を公開してしまったわけだから、いまさら妙な小細工はしない。
あの日、その場所に劇団員が何名くらいいたのか、よく憶えてはいないが、「アイヌ」の文化について説明をしてくださっていた民族学者の姫田忠義氏が、わりと唐突に(と僕は記憶しているのだが)、その中にいた一人の女性を目ざとく見つけて、こう言った。

「そこのあなた、あなた沖縄の人だよねえ」
そして姫田氏は、彼女に苗字や生まれた場所などを聞いた。
「いいねえ、沖縄の人は。僕はね、沖縄の人が大好きなんだ」

細かいやり取りの記憶はないが、ただ俯く彼女の横顔を忘れてはいない。
最後に姫田氏は、十分な親しみを込めて、「ちょっと、色、黒いけどね」と、そう言って笑った。

姫田氏がどうのこうのというつもりは毛頭ない。
貴重な記録映像を目当てに氏の研究所を訪れる方は、当時たくさんいらっしゃったのだろうから、こんな小さな昔のエピソードを、今の氏が憶えていらっしゃるとも思えない。それをここで、ほとんど誰も読みに来ないような「ブログ」とはいうものの、ご紹介してしまったことについては、どうかお許しいただきたいと思う。ただ僕は、沖縄から出てきて間もない若い女性が、皆のいる中で評されて、どんな気持ちで俯いていたのか、それを、誰にというわけでもなく、想像してみて貰いたいと思うのみである。

この時の女性が、今の僕の子供たちの、大切な母親なのである。
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